結婚ビザに関する誤解
結婚ビザの種類

日本人と外国人が結婚した場合は、「日本人の配偶者等」ビザの取得を目指すことになります。語尾に付いている「等」の文字が気になる方もいらっしゃるかと思いますが、これは日本人の実子がこのビザの対象に含まれるために付いているだけで、気にする必要はありません。
日本人との結婚ビザは、私の経験上、申請人の国籍が欧米の場合、男女関係なく、非常にすんなりと許可がでます。逆に言えば、それ以外の場合は、結構苦労するということです。特に、申請人の年齢が高くなればなるほど、許可は下りにくくなります。
一方、外国人同士が結婚した場合、在日外国人が永住者であれば「永住者の配偶者等」、定住者であれば「定住者」が取得出来ます。ただし、日本人の配偶者よりも審査は厳しくなる傾向があります。
これは、永住者や定住者との間で偽装結婚をする外国人が一定数いるからです。そのため、十分な資産を持つ永住者や定住者であっても、婚姻に至る交際歴や実績を細かくチェックされることが多いです。

結婚とビザは別物
結婚ビザについて、一番良くある誤解が「結婚したからビザは簡単に取れる」というものです。私はお客様に対し、ほぼ毎日言っていることですが、「結婚とビザは完全に別物」なのです。つまり、結婚しても一緒に日本に住むことができる保証はないのです。それだけ結婚ビザは審査が厳しいです。
その理由の一つとして、結婚ビザは、就労ビザと異なり活動の制限がありません。言い換えれば、「何をしても良い(犯罪を犯さなければ)・・・」ということです。例えば、就労ビザで夜の仕事などは御法度ですが、結婚ビザでは可能です。きちんと日本人の奥様・だんな様として暮らしていれば、その生活の内容については立ち入らないのです。
また、結婚ビザを取得すると永住許可が取得しやすくなると言ったメリットもあります。永住者は通常、「10年以上の在留」が要件として求められますが、結婚ビザの場合、「婚姻3年以上、在留1年以上(定住者は5年以上の在留)」とかなり要件が緩和されています。
そういった背景があり、およそ15年前(つまり私の開業当初)には、偽装結婚がかなり横行していました。その頃から結婚ビザの審査は厳しかったのですが、近頃は、外国人犯罪や日本国内における問題行動が、メディアに取り上げられる事が多く、このような方針は続いていくものと思われます。
一生に1度の機会だからこそ・・・
人間は人生において、そう何度も結婚することはありません。国際結婚ともなれば、なおさらだと思います。また、一般の方が結婚ビザ申請に詳しくなったところで、何らメリットはありません(話のネタにはなるでしょうけども・・・)。このような面倒な申請こそ、プロに依頼すべきです。お二人の新生活を始めるにあたり、できる限り障害となりうるものは取り除いておくべきと思いますが、いかがでしょうか?