外国人が目指すゴール「永住者」

「永住者」は、日本で自由に暮らすことができるためのビザです。在留期間は無期限で、活動も自由。入管申請をレースに例えれば、永住者は「ゴール」です。それを目指して、多くの外国人が永住許可申請を行いますが、最近はそう簡単に許可になりません。
永住申請で必要な書類は非常に多く、収入・公的義務など全ての要件を確認されます。そして、非常に怖いのが、納税や社会保険料の支払いが支払期日から1日でも遅れれば、直ちに不許可となってしまう点です。言い訳は全く聞いてくれません。サラリーマンの方が支払いを忘れるということは制度上ありませんが、個人事業主の方は要注意です。
近年、「永住許可が下りにくくなった」大きな理由の一つに、新しくできた「特定技能」の影響があります。もともと永住者は、長く日本に住んでいて、安定した収入や納税の実績がある外国人に与えられるもので、将来にわたって日本に住み続けられる安心感がありました。しかし、2019年に導入された「特定技能」は、日本で人手が不足している分野に外国人を受け入れるための制度で、ある程度の日本語力と専門スキルがあれば就労が可能になりました。
この新制度ができたことで、「特定技能で十分に労働力を確保できる」と判断され、永住許可申請の審査はより厳格になりました。つまり、以前よりも「永住者としてのふさわしさ」が厳しくチェックされるようになったということです。実際に国会の審議の中でも、永住許可申請の審査を厳格化する旨について、言及されています。
実は、永住許可申請において、行政書士がサポートできる場面は、それほど多くなく、コンサルティングがメインになりがちです。要は過去の滞納をリカバリーする術はないので、今後の申請をいかに不備なく行うかを指導していくという流れになるのです。このように永住許可に至るには、非常に長い時間がかかるのですが、「ゴール」したときの充実感もひとしおなのです。